ネットやSNSでの集客は、小さなお店にとってとても心強い武器になります。
そして実際に来店してくださったお客さまが「また来たい」と思うかどうかは、商品力や店内の雰囲気、そして“接客”といった体験の積み重ねにかかっています。
中でも、人と人とのやりとりが生まれる接客は、リピーターづくりに欠かせない要素のひとつ。
今回は、私が日々大切にしている接客の工夫や体験談を交えながら、リピートにつながるヒントをお伝えします。

なぜ個人店に接客が大切なのか?
大手やチェーンにはない「選ばれる理由」になるから
今は安くて便利なお店がいくらでもあります。
その中で、わざわざ個人店に来てくださるというのは、実はすごくありがたいこと。
だからこそ、「ここに来てよかった」「また来たい」と思っていただけるような接客を心がけています。

Googleマップの口コミにも“接客”の影響は大きい
Googleの口コミを見ていると、「スタッフさんが親切だった」「話しかけにくかった」など、接客に関する内容が多いことに気づきます。
接客の印象が、評価にそのまま反映されやすい時代。
良い接客は自然とクチコミを生み、集客の後押しにもなります。

自分もがっかりした接客を経験して学んだこと
私自身、わざわざ立ち寄った遠くのお店でそっけない接客をされ、商品は良くても「もう行かないかな…」とがっかりしたことがあります。
その経験があるからこそ、自分のお店では「来てよかった」と思ってもらえる対応を心がけています。

当店で実践しているリピートにつながる接客
① 笑顔とあいさつがすべての基本
まずは、笑顔で「こんにちは」「いらっしゃいませ」とお迎えすること。
この最初のひと言が、お客さまの緊張をほぐし、安心感を与えてくれます。
個人店に入るのは、「どんなお店だろう」と少し勇気がいるもの。
だからこそ、特に初めての方には「話しかけやすい」「居心地がいい」と感じてもらえるよう、丁寧なあいさつを心がけています。

② 「してほしいこと」を察して先に動く
お客さまが何かを探しているようであれば、「何かお探しですか?」と、さりげなく声をかけます。
「声をかけてくれて助かった」と言っていただけることも多く、ただ商品を売るだけでなく、“気にかける姿勢”が大切だと感じています。
一方で、「ゆっくり自分のペースで見たい」という方ももちろんいらっしゃいます。
相手の様子をよく観察し、その方に合わせて対応を変える――柔軟な接客こそが、心地よさにつながると実感しています。

③ お子さんにも声をかける
小さなお子さん連れのお客さまには、お子さんにもきちんと目を向けて声をかけるようにしています。
お子さんと少しお話をするだけでも、お母さんがゆっくり買い物できる時間が生まれます。
「子どもにも優しくしてくれて嬉しかったです」と言っていただけることも多く、ご家族でのリピートにつながる大切なきっかけになっています。

④ レジでのひとことが印象を変える
会計の際には、「この植物は日陰でも元気に育ちますよ」など、購入されたものについてちょっとした豆知識を添えるようにしています。
ただ“商品を渡す”だけでなく、「その後も応援していますよ」という気持ちが伝わるよう心がけています。
ほんのひと言でもコミュニケーションがあると、お客さまの印象に残りやすく、「また行きたいお店」として覚えていただけることが多いです。

⑤ 困っているときは、できる限り寄り添う対応を
「植え替えがうまくいかなくて…」「育て方がわからなくて…」など、困っているお声には、できる限り丁寧に対応しています。
そんな姿勢が「また相談したい」「あのお店なら安心」と感じていただくきっかけになっています。
購入後も気にかけてもらえるアフターフォローは、大手のお店にはない個人店ならではの魅力です。

Web集客後の“体験”がリピートにつながる
Instagramやホームページ、Googleマップなどでお店の存在を知ってもらうことは、今や必須の時代。
でも、それはあくまで“最初のきっかけ”にすぎません。
本当に大事なのは、実際に来てくれたお客さまに、どんな体験を提供できるか。
「SNSで見たとおり、あたたかいお店だった」「また会いたくなる店員さんだった」――
そんな体験が、次の来店=リピートにつながっていきます。
まとめ|“また来たい”は、接客の力で生まれる
ネットやSNSでの発信が広がる今だからこそ、お客さまとの直接のやり取り=接客の価値はますます高まっています。
商品の良さだけでなく、「このお店で買ってよかった」「この人から買いたい」と感じてもらえる接客が、リピーターを育て、ファンを増やします。
Webで集客したその先にある、“お店での体験”。
それを大切にすることで、地域に根ざした強いお店づくりができると、私は実感しています。
